ソリッドギターとは?空洞なしの理由とセミアコ比較・選び方を解剖
ソリッドギター(Solid-body Guitar)の「ソリッド(Solid)」とは、中身がぎっしり詰まった「中実・固体」を意味します。アコースティックギターのように内部が空洞(ホロウ)になっておらず、アルダー、アッシュ、マホガニーといった乾燥させた木材の単板や張り合わせ材を削り出して成形するソリッドボディ構造を採用している点が最大の特徴です。
では、そもそもなぜ楽器であるにもかかわらず、エレキギターに空洞がない理由が存在するのでしょうか。その歴史は1940年代のアメリカ音楽シーンまで遡ります。当時、ビッグバンドやダンスホールで演奏していたギタリストたちは、ドラムや管楽器の大音量にかき消されないよう、従来のホロウボディ(中空)ギターにピックアップを取り付けてアンプで増幅しようと試みました。しかし、ボディ内部の空洞がアンプから出た大音量に共鳴してしまい、耳をつんざくような強烈なフィードバック(ハウリング)が頻発したのです。
この致命的な弱点を克服するため、ミュージシャン兼発明家であったレス・ポール氏が鉄道の枕木にネックを取り付けた実験機「ザ・ログ」を試作し、追って1950年にレオ・フェンダー氏が量産型ソリッドギターの始祖となる「フェンダー・エスクワイヤー(後のテレキャスター)」を世に送り出しました。あえてボディの共鳴を物理的に遮断し、「弦の純粋な振動だけをピックアップで拾って電気信号に変える」という逆転の発想によって、近代音楽の表現力を爆発的に進化させたのです。