宇多田ヒカルの「衝撃」はなぜ色褪せないのか?世界が再び熱狂する初期衝動の正体
日本の音楽史上、最も売れたアルバム。その称号を持つ『First Love』のリリース時、彼女はまだ16歳だった。この数字が持つ意味は重い。大人がお膳立てしたポップスターではない。彼女自身が作詞・作曲を手がけ、自身の心象風景をそのままメロディに乗せていた。
R&Bのビートに乗る、少しハスキーで、どこか哀愁を帯びたボーカル。テレビ出演を極端に制限するプロモーション戦略も手伝い、その存在は神秘性を増した。街中に彼女の歌声が溢れ、誰もがその正体を知りたがった。あの熱狂は、単なるブームを超えた一種の社会現象だったのだ。