渋さとリアリティの逆襲。なぜ今、世界は日本の「枯れた表現者」たちに熱狂するのか
これまでの日本のメディアにおける「おやじ」像は、極めて限定的だった。説教臭い上司、家庭を顧みない父親、あるいはコメディの引き立て役。しかし、現在のトレンドを牽引する作品群において、彼らは極めて多面的に描かれている。
ある作品では心に深い傷を負った元刑事、またある作品では若者と対等に夢を追う不器用な職人。時にはジェンダーの境界を軽やかに超えるような、極めて現代的なキャラクターも登場する。年齢という記号を取り払ったとき、初めて一人の人間としての深い葛藤が描き出されるのだ。