伝説のナカノコールから引退後の現在まで!中野栄治の足跡と真実

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日本競馬を語るうえで絶対に外せない伝説が、1990年の第57回日本ダービーで巻き起こったナカノコールです。当時、オグリキャップを中心とする空前の競馬ブームの真っ只中、東京競馬場には史上最多となる19万6517人もの観衆が押し寄せていました。

単勝3番人気のアイネスフウジンに騎乗した中野栄治騎手は、大外枠から果敢にハナを奪い、前半1000mを58秒4という殺人的なハイペースで逃げの手を打ちます。直線に入っても脚色は衰えず、メジロライアンやホワイトストーンらの追撃を振り切って2分25秒3のコースレコード(当時)で逃げ切り勝ちを収めました。

ゴール後、アイネスフウジンは極限の激走により左前脚に屈腱炎を発症しており、歩様が乱れていました。異変にいち早く気づいた中野騎手は、勝利の歓喜に浸ることなく馬をいたわって即座に下馬。愛馬の体を気遣いながら静かにコースを引き揚げる姿に、スタンドを埋め尽くしたファンから自然発生的に「ナカノ!ナカノ!」という地鳴りのような大合唱が沸き起こったのです。

それまで「ヤジ」や「怒号」が飛び交うことも多かった競馬場が、一人のホースマンとサラブレッドの死闘を純粋に讃えるスタジアムへと変貌した瞬間でした。この出来事こそが競馬界におけるウイニングランと騎手コールの原点であり、競馬がスポーツエンターテインメントとして認知される決定打となりました。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

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