プロ直伝のケーキの切り方!崩れる原因と奇数等分の裏技を徹底解説
温度管理と並んで重要なのが、包丁を動かすベクトルのコントロールです。普段の調理で野菜を切るような「真上から押し込む切り方(押し切り)」は、デリケートなケーキカットにおいて最も避けなければならない動作といえます。
ケーキ断面が崩れないコツは、刃の長さを最大限に使った「引き切り」です。刃先をケーキの奥側、中心部分に斜め45度の角度で静かに当てたら、包丁を真下に押すのではなく、自分の手前側に向かって長く滑らせるようにスッと引きます。底のスポンジまで刃先が届いたら、包丁をそのまま上に引き抜くのではなく、手前の隙間から水平に抜き取ると、せっかくの上面デコレーションを引っ掛けて崩してしまうリスクを防げます。
さらに難易度が高いのが、大粒のイチゴやマスカットが敷き詰められたフルーツケーキの切り方です。果物の果皮や果肉はスポンジに比べて圧倒的に硬いため、上から刃を当てると果物ごと下のケーキを押し潰してしまいます。パティシエ直伝ケーキカットでは、以下の手順を踏むことでこの問題を解決しています。
まず、カットするライン上に硬いフルーツが乗っている場合、可能であれば一度ピンセットやスプーンで一時的に取り分けておくのが最も確実です。デコレーションの構造上動かせない場合は、三徳包丁ではなく細身の「波刃包丁(ブレッドナイフ)」を使用します。果物の表面に波刃の先端を当て、ノコギリのように小刻みなストロークで果皮だけを先に切り開きます。果肉を突破してスポンジ層に達した段階で、引き切りの滑らかな動作に切り替えることで、果物も生地も一切潰さずに美しい直線を描くことができます。