「なぜ笑うんだい」神対応の真実!ロナウドと少年の12年後と秘話
2014年の初夏、都内のイベント会場には異様な熱気が立ち込めていた。ステージ上に現れたのは、レアル・マドリードの絶対的エースとして世界を沸かせていたクリスティアーノ・ロナウド。その夢のような空間で、当時一人のサッカー少年だった岩脇遼太(いわわき りょうた)くんがマイクを握った。慣れない手つきで広げたメモには、自身で一生懸命に調べ、練習を重ねてきたポルトガル語のスピーチが記されていた。
緊張で声を震わせながら懸命に想いを伝えようとする少年の姿。しかし、発音がおぼつかない様子を見た会場の一部の報道陣や参加者から、小声の笑いが漏れ聞こえた。その瞬間だった。ロナウドは通訳の言葉を待たず、表情を引き締めると、会場を見渡して言い放った。「なぜ笑うんだい? 彼のポルトガル語は上手だよ。一生懸命やっているじゃないか。彼を褒めるべきだ」
最新の取材において、当時の関係者は舞台裏をこう振り返る。ロナウド自身、幼少期に故郷マデイラ諸島からリスボンの下部組織(スポルティングCP)へ移籍した際、独特の方言を理由に周囲の少年たちから嘲笑された過去を持つ。夢を追いかける中で味わった悔しさと孤独。だからこそ、懸命に挑戦する少年の姿に、かつての自分を重ね合わせたのだ。あの神対応の裏には、一瞬のパフォーマンスではなく、彼自身の人生の原体験に基づいた強い信念が存在していた。