アテローム血栓性脳梗塞の前兆を見逃すな!命に関わる3つの初期症状の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。
一口に脳梗塞といっても、発症のメカニズムや重症度、再発予防のアプローチは病型ごとに全く異なります。臨床現場では主に「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」「心原性脳塞栓症」の3タイプに大別され、それぞれ異なる病態生理を持っています。
違いを正しく理解することは、自己判断による誤った対処を避け、適切な治療プロトコルを選択するうえで欠かせません。
項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価アテローム血栓性脳梗塞太い主幹動脈(頚動脈・中大脳動脈等)の内腔狭窄・プラーク破綻。梗塞巣は中〜広範。発症は段階的進行が多い。脳梗塞全体の約30%強。5年以内の再発率は30〜35%前後と高い。生活習慣病の集大成。TIAの前兆を見逃さず、早期の血小板凝集阻止と血管内治療介入が生死を分ける。ラクナ梗塞脳深部の細小動脈(穿通枝)が変性・閉塞。病巣は直径15mm未満と微小。睡眠中〜早朝の発症が目立つ。脳梗塞全体の約30%。生命予後は比較的良好だが、多発により血管性認知症のリスク増。高血圧が主因。麻痺症状が軽度でも「かくれ脳梗塞」として潜行するため、徹底した降圧管理が基本軸となる。心原性脳塞栓症心房細動等により心臓内で生じた巨大血栓が血流で脳へ飛来。太い血管を突如完全閉塞し、広範な壊死を招く。脳梗塞全体の約25〜30%。急性期死亡率が約10〜20%と最も高く、重篤な後遺症が残りやすい。活動中・日中に突然ノックアウト型で発症。前兆なしのことが多く、予防には抗凝固薬(DOAC)の内服が必須。
ラクナ梗塞が細い血管の目詰まりによる局所的な虚血であるのに対し、アテローム血栓性脳梗塞は大動脈の地盤沈下とも呼ぶべき広範囲の病変です。また、心原性脳塞栓症が心臓からの「不発弾の飛来」によって日中の活動時に前触れなく突発するのとは対照的に、アテローム血栓性は血管自体の病変がじわじわと進行し、階段を降りるように症状が悪化していくケース(stepwise progression)が少なくありません。