なぜ埼玉県の中に東京都?練馬区西大泉町1179番地の飛び地の謎
飛び地に暮らす住民にとって、最大の関心事は日々の生活インフラだ。郵便物や宅配便の宛名は「東京都練馬区」だが、物理的な距離としては新座市役所のほうが遥かに近い。一方で、住民票の交付や税金の納付手続き、各種福祉サービスを受けるためには、遠く離れた練馬区役所へと足を運ぶ、あるいはオンラインで処理する必要が生じる。
ゴミ収集や小中学校の学区指定、警察の管轄はどうなっているのか。現地取材によると、行政側も手をこまねいているわけではない。収集車の手配やインフラ整備においては、両自治体の間で柔軟な取り決めが交わされている。とはいえ、火災が発生した際の消防車の出動や緊急通報のルーティングなど、目に見えないハードルは少なからず存在しており、住民は「二つの自治体の挟み撃ち」のような独特の感覚を抱えながら生活している。