『約束のネバーランド』連載10周年で再燃する謎――知性派レイの「生存ルート」と読者を揺さぶった死のフェイク

『約束のネバーランド』連載10周年で再燃する謎――知性派レイの「生存ルート」と読者を揺さぶった死のフェイクの要点を詳しく解説してご紹介します。

レイの死亡説を決定づけた最大のポイントは、やはり単行本5巻に収録されている「脱獄編」のクライマックスだ。12歳の誕生日前夜、彼はハウスの食堂でガソリンを被り、マッチに火をつけた。己の脳を鬼たちに喰わせないこと、そしてそれがママ・イザベラへの最大の復讐であると信じて疑わなかった彼の表情は、狂気と悲壮感に満ちていた。

この凄惨なシーンは、初見の読者に「レイが死んだ」と誤認させるに十分な演出だった。しかし、エマの機転とノーマンが遺した計画により、レイの自殺は未遂に終わる。あらかじめ用意されていた肉と髪の毛、そしてレイが切り落とした自らの耳を燃やすことで、イザベラの目を欺くことに成功したのだ。この鮮やかなトリックこそが、物語最大の転換点であり、同時に「レイ死亡」の強い印象を読者に植え付ける結果となった。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。