根室の赤いダイヤが揺らす2026年の食卓――なぜ今、花咲ガニの争奪戦が激化しているのか
分類上はヤドカリの仲間に属するこのカニは、一般的なズワイガニのような上品で繊細な白身とはまるで性格が異なる。太い脚肉を殻ごとバリリと割り、湯気立つ身を口に放り込む。その瞬間に広がるのは、強烈な甘みと、甲殻類特有の濃密な脂の風味だ。
繊維一本一本が太く、噛み締めるたびに弾力のある肉から塩気と旨味が滲み出る。さらに愛好家を虜にしてやまないのが、メスが抱く「内子(うちこ)」と「外子(そとこ)」だ。濃厚なチーズのようにねっとりとした未成熟卵の内子と、プチプチと口の中で弾ける外子の食感の対比は、他のどの海産物でも代えがきかない。