坂本冬美『また君に恋してる』奇跡のヒットの真相と誕生の舞台裏
長年愛される名曲であるからこそ、インターネット上ではいくつかの事実誤認や憶測が見受けられます。ここでは取材資料および公式記録に基づき、代表的な3つの誤解を正します。
誤解1:坂本冬美の完全オリジナル曲として制作されたという誤認
若い世代を中心に「坂本冬美のオリジナルシングル」と誤認されるケースが散見されますが、前述の通り原曲はビリー・バンバンです。坂本冬美自身、メディア出演時には常に菅原兄弟への深い敬意を表明しており、音楽番組でビリー・バンバンと坂本冬美がデュエットで共演を果たすなど、アーティスト間の美しいリスペクト関係が保たれています。
誤解2:発売当初から大ヒットを狙ったメインタイトルだったという説
本作は当初、『アジアの海賊』との両A面でありながら、プロモーションの主軸はアップテンポな『アジアの海賊』に置かれていました。CMのオンエアを通じてリスナー側から火がつき、有線放送リクエストやダウンロード数が急伸したことで、後からプロモーション方針が『また君に恋してる』へと一本化されたという経緯があります。まさに「聴き手の支持が育て上げたヒット」でした。
誤解3:演歌を捨ててJ-POPへ転向したという批判的な見方
ポップスカバーの成功時、「演歌からの転向」と短絡的に捉える声が一部にありました。しかし、坂本冬美は現在に至るまで演歌の王道シングルをコンスタントにリリースし続けています。彼女自身の手記やインタビューでも語られている通り、ポップスを歌うことで自身のボーカルコントロールがより繊細になり、それが本業である演歌の歌唱表現にも計り知れない好影響をもたらしたと証言されています。