日本の資産が過去最高なのに借金1000兆円?2026年最新データで見る真相
家計の側面に焦点を当ててみましょう。日本銀行が四半期ごとに公表する日銀の資金循環統計によると、日本の家計金融資産の最新動向は2026年末に2100兆円を突破して以降、2026年現在も2200兆円前後という歴史的高水準を維持しています。
かつて「2000兆円突破」が話題となった日本の金融資産の内訳を詳しく分解すると、長年にわたる構造的特徴と、直近の変容がはっきりと見えてきます。
第一の特徴は、依然として突出している日本の金融資産の現金比率です。欧米諸国では投資信託や株式の保有比率が30〜50%を超えるのに対し、日本では資産の約50%超が現金・預金に滞留しています。デフレが30年間続いた日本では「現金を握りしめておくことが最も安全かつ確実な防衛策」だったため、心理的なキャッシュ選好が極めて根強く残っているのです。
しかし、潮目は確実に変わりつつあります。2026年に抜本拡充された新NISA(少額投資非課税制度)の定着、日銀のマイナス金利解除に伴う預金金利の上昇、そして長引く物価高(インフレ)の進行により、「預金のまま放置すれば実質購買力が目減りする」という危機感が現役世代を中心に浸透しました。その結果、投資信託や株式の保有比率は2026年代前半の15%前後から着実に20%台へと切り上がっています。
野村総合研究所などの民間推計が示す日本の富裕層の資産推移を観察しても、金融資産1億円以上を保有する富裕層・超富裕層の世帯数は一貫して増加傾向にあります。株式市場の活況をダイレクトに享受した富裕層が資産を押し上げる一方で、現金預金のみに頼ってきた層との間で資産格差が拡大している点も見逃せません。