鳥インフルでなぜ全羽殺処分?治療やワクチンを打たない理由の真相
養鶏場でたった1羽でも感染が確認された場合、同じ農場で飼育されているすべてのニワトリが対象となる「全羽殺処分」。この厳しい措置は感情論ではなく、家畜伝染病予防法に基づく法的な義務として規定されています。
鳥インフルエンザ、とりわけ強い病原性を持つタイプは、空気感染や糞便を介して一瞬で同心円状に広がります。ウイルスの排出スピードは凄まじく、1羽の感染が判明した時点で、同じ鶏舎や敷地内の他の個体にもすでに潜伏感染している可能性が極めて高いためです。個別検査で陰性を確認している間にウイルスが敷地外へ漏洩すれば、地域全体の養鶏業が壊滅的な被害を受けかねません。
そのため、国際獣疫事務局(WOAH)の国際基準に則り、感染拡大の火種を瞬時に消し止める「スタンピングアウト(全頭処分方式)」が日本をはじめとする主要国で徹底されています。