太平洋の命を守る静かな誓い:「一宮ウミガメを見守る会」の挑戦と足跡
半世紀前に比べて、ウミガメを取り巻く環境は格段に厳しさを増している。中でも深刻なのが「海洋プラスチックゴミ」と「人工的な光(光害)」だ。
海岸に打ち上げられる大量のペットボトル、破棄された漁具、微細なマイクロプラスチック。これらは産卵に訪れた母ガメの歩行を阻害するだけでなく、孵化したばかりの子ガメが海へ向かう際のおそろしい障害物となる。子ガメの体長はわずか5センチ程度。小さなプラスチック片一つに足を取られ、体力を奪われて命を落とすことも少なくない。
さらに深刻なのが夜間の照明である。孵化した子ガメは、月や星の光が海面に反射する「最も明るい方向」を目指して海へと向かう習性を持つ。しかし、沿岸部の道路灯や建物の明かりが強いと、子ガメは方向感覚を失い、海とは逆の陸側へと歩き出してしまう。乾燥と疲労、車による轢破によって、海にたどり着く前に命を落とすケースが後を絶たない。