カネボウのガムの歴史と消えた真相|ハリス誕生からクラシエの現在
昭和40年代から50年代にかけて、カネボウは業界の常識を覆すユニークなアイデア商品を次々と市場へ送り出しました。当時の消費者の記憶に今も鮮烈に残る看板商品の数々は、単なるお菓子にとどまらず若者文化のアイコンとしての役割も果たしていました。
若者の間で社会現象となったのが、1970年代後半に登場した「プレイガム」です。当時流行していたオーディオカセットテープを忠実に再現したプラスチックケースに、薄型の板ガムを収納。胸ポケットからスマートに取り出して噛むスタイルが若者の心を掴み、ファッションアイテムとしても絶大な人気を博しました。パッケージデザインやフレーバー展開の斬新さは、他社の追随を許さない先進性を持っていました。
さらに、食後のエチケット習慣に着目した「歯みがきガム」も大ヒットを記録。研磨剤やミント成分を配合し、「噛むことで手軽にオーラルケアができる」という新たな付加価値を市場に提示しました。現在では当たり前となった特定保健用食品や機能性表示食品の先駆けとも言える試みであり、カネボウの開発力の高さを世に見せつけた名作です。