地震雲は大地震の前兆なのか?気象庁の見解と科学が明かす真相
気象庁気象研究所の主任研究官であり、雲研究の第一人者として知られる荒木健太郎氏は、SNSなどで「地震雲」として拡散される写真のほぼ100%が、典型的な大気物理現象として説明できると指摘しています。気象学の知見に基づけば、不気味に見える雲にはすべて固有の名前と発生理由が存在します。
日本気象協会の解説などでも頻繁に登場する、代表的な「見間違いやすい雲」の正体は以下の通りです。
・波状雲(はじょううん):大気の波(大気重力波)によって空気の層が波打ち、規則正しい縞模様を描く雲。天気が下り坂に向かう際によく見られます。
・放射状巻層雲(ほうしゃじょうけんそううん):上空の高い位置にある薄い雲が、遠近法によって地平線の一点から放射状に広がっているように見える現象。
・飛行機雲の残骸:上空の湿度が高いときに飛行機雲が消えずに長く残り、風に流されて帯状や断層状に広がったもの。
・断層雲(俗称):空が直線状に真っ二つに分かれたように見える雲。低気圧や前線に伴う層積雲のシャープな境界線に過ぎません。
これらの雲は、上空の風速、気温、湿度のバランスによって日常的に生まれる自然の造形美です。空の異変を過剰に恐れる必要はありません。