新海誠作品の「エロティシズム」真相:フェティシズムと演出の裏側
大ヒットを記録した『君の名は。』では、男女の身体が入れ替わるという王道的なモチーフを通じ、思春期特有の無垢でどこかコミカルな性衝動が描かれた。自分の胸に触れる主人公の動作は、観客の笑いを誘うと同時に、他者の身体を獲得した戸惑いと生々しい生命感を一瞬で印象付ける。
続く『天気の子』でも、少年が抱く庇護欲と純粋な恋心が、雨に濡れた街並みや空の広がりと共に表現された。過剰に性的な要素を排しつつも、身体的な触れ合いや距離感の縮まりに潜む鼓動をダイナミックなグラフィックで描き切る手法は、広い層の観客に強烈な記憶を残した。