レンズの向こうに刻む静かないのちの痕跡——フォトジャーナリスト安田菜津紀が2026年の世界に問いかける「言葉と人権」の現在地
東日本大震災の発災直後から、岩手県陸前高田市をはじめとする被災地に何度も足を運び、復興の歩みと人々の心の変化を記録してきた。歳月の経過とともに風化していく記憶と、置き去りにされる個人の悲しみ。時間の経過がもたらす「忘却」という壁に、彼女は愚直なまでの継続取材で挑んできた。
被災した家族の成長や、まちの変容、そして震災の教訓が未来の防災にどう活かされているのか。単なる周年報道の時期だけでなく、日常のルーティンとして被災地に通い続ける姿勢は、現地の人々との強い信頼関係を育んできた。災害が多発する日本において、過去の教訓を未来の命へとつなぐ架け橋としてのジャーナリズムが、そこには息づいている。