「うる覚え」は間違い?正解は「うろ覚え」!語源と誤用の真相を徹底解説
なぜ不確かな記憶のことを「うろ覚え」と呼ぶのか、そのルーツは日本の古い言葉にあります。語源となっているのは、木の幹や岩などにできるポッカリと空いた穴や空洞を意味する古語「虚(うろ/洞)」です。
大木の内部が腐食して中身が空っぽになっている状態を「樹洞(じゅどう)」や「木のうろ」と呼びますが、この「中身が抜け落ちて外側の輪郭だけが残っている様子」を人間の記憶に例えたのが「うろ覚え」の始まりです。全体のおおまかな形だけは残っているものの、肝心の中身や正確な詳細がすっぽり抜け落ちてしまっている状態を見事に言い表した表現と言えます。
漢字表記としては、一般的にひらがなで「うろ覚え」と書かれるケースが大半ですが、漢字をあてる場合は「虚覚え」や「洞覚え」、あるいは「空覚え」と表記します。平安時代から中世にかけての古典文学や歌学の世界でも「うろ」という言葉は用いられており、極めて由緒正しい日本語の成り立ちを持っています。