2026年、角界を沸かせる「愛され親方」明 瀬山 光彦の現在地——遅咲きの名手が挑む若手育成と大相撲の新時代
明瀬山の相撲を語るうえで外せないのが、180キロを超える恵まれた体格と、一度根を張るとめったに動かない驚異的な「柔らかさ」と「重さ」だ。相手が強烈な突き押しを繰り出しても、ぬるりと受け止めて吸収し、自らの間合いへと引きずり込む。そのスタイルは多くの対戦相手にとって脅威であり、難敵として恐れられた。
スピード重視の現代相撲において、彼の見せた「相手の力を利用して残す」技術は一種の異彩を放っていた。まわしを引いた際の重心の位置、相手の体勢を崩す細かな肘の使い方——。こうした体感的な知識は、現在稲川親方として教え子たちに指導する際にも、言語化された貴重なスキルとして惜しみなく伝授されている。