カワテブクロがスポンジボブのパトリックに激似!実写と話題の真相検証
ネット上でまことしやかに囁かれる最大の噂が、「原作者はカワテブクロを見てパトリックをデザインしたのではないか」というスポンジボブ 元ネタ説です。しかし、この言説には明確な歴史的事実の整理が必要です。
『スポンジ・ボブ』の原作者である故ステファン・ヒーレンバーグ氏は、アニメーション作家へ転身する前、カリフォルニア州のオレンジ・カウンティ海洋研究所で海洋科学を教えていた本職の海洋生物教育者でした。彼が描いた初期の教育用コミック『The Intertidal Zone(潮間帯)』の資料を紐解くと、作中に登場するヒトデはアメリカ西海岸の潮間帯に普遍的に見られる一般的なマヒトデ類(Asterias属やPisaster属)が原初的な発想源となっています。
北米の沿岸に生息する一般的なヒトデは、腕が細く突起が鋭いものが大半です。しかし、キャラクターアニメーションとして画面上で子どもたちに愛されるアイコンへと昇華させる過程で、鋭角を削ぎ落とし、究極までシンプルで親しみやすい「幼児体形(ベビーシェマ)」へとデザインが極限までデフォルメされました。その結果、遠く太平洋やインド洋のサンゴ礁に暮らすカワテブクロの形態と、意図せずして造形的な完全一致を果たしてしまったというのが科学的かつ美術史的な真相です。
「人間が愛嬌を感じる究極の形状」を追求したアニメーターの直感と、「水流抵抗を減らし肉厚な体で身を守る」という自然選択の淘汰圧が、同じフォルムに行き着いたという事実は、デザイン工学的にも極めて興味深い現象といえます。