一蘭発祥の聖地「那の川店」総本店との違いと誕生秘話の真相
一蘭の源流をたどると、1960(昭和35)年に福岡県小郡市で創業した屋台「双葉ラーメン」に突き当たります。その後、屋号を「一蘭」へと改め、知る人ぞ知る名店として営業を続けていましたが、初代店主の高齢化と体調不良により一時は暖簾を下ろす危機に直面しました。
この味を後世に残すべく、常連客の一人であった現代表取締役社長の吉冨学氏が味と屋号を継承。1993(平成5)年9月、現在の営業形態の礎となる店舗としてオープンしたのが「一蘭 那の川店」です。一蘭の公式史においても、株式会社一蘭としての第1号店・発祥の地は小郡の旧店舗ではなく、この那の川店と定義されています。
開業当初の那の川店は、熱狂的なファンに確実にラーメンを届けるため、全国的にも極めて珍しい「完全会員制」を採用していました。会員カードを持つ常連客、またはその同伴者しか入店できないという徹底したクオリティ管理と隠れ家的なブランディングが口コミを呼び、連日深夜まで行列が途切れない伝説を生み出しました。後に会員制は解除され、誰でも気軽に立ち寄れる現在のスタイルへと進化を遂げましたが、那の川の地に刻まれた革新のDNAは今も色濃く残されています。