調味料のさしすせそ順番の謎|砂糖が先で塩が後の科学的理由と黄金比
「さしすせその順番を1ミリでも違えると料理が台無しになる」という言説がネット上で見受けられますが、調理科学の観点から言えばすべての料理で厳密に守る必要はありません。料理の目的や加熱時間によって、あえて順番を変えるケースが存在します。
典型的な例外が「煮魚」です。煮魚は長時間煮込むと身がパサつき、旨味が逃げてしまいます。短時間の加熱で表面にしっかりと味を乗せ、照りを出す必要があるため、プロの現場では最初から酒・醤油・みりん・砂糖を合わせた煮汁を強火で沸騰させ、そこへ魚を投入して短時間で仕上げます。
また、「おでん」や「鍋物」のように、大量の出汁の中でじっくりと時間をかけて具材に味を移していく料理では、あらかじめ出汁に薄口醤油や塩、みりんを調合した合わせ出汁で煮込むのが一般的です。長時間加熱することで、浸透圧の差に関わらずゆっくりと均一に味が馴染んでいくため、個別にさしすせその順序を刻む必要性は薄れます。
調理現場における生の声を見ても、「炒め物や煮込み料理ではさしすせその原則が驚くほど効くが、合わせ調味料で一気に味を決める中華風炒めや短時間のタレ焼きでは、事前にタレを混ぜておいたほうが焦げ付きを防げる」という実践的な知見が共有されています。理屈を理解した上で、柔軟に使い分けることが肝要です。