氷室京介の病気と引退の真相|両側性難聴の理由と2026年現在の近況
氷室京介がファンに向けて突如としてライブ活動の休止を示唆したのは、2014年7月の山口県・周南市文化会館での公演でした。その後の横浜スタジアム公演、そして2016年の『KYOSUKE HIMURO LAST GIGS』へと至る一連の流れの中で明かされたのが、「両側性難聴」という耳の病気の存在です。
医学的に両側性難聴とは、左右両方の耳の聴力が著しく低下する疾患を指します。氷室京介の場合、もともと40代前半頃から左耳の聴力低下と深刻な耳鳴りに悩まされていました。当時は右耳の聴力が正常だったため、右耳でモニター音やピッチを聞き分け、卓越した技術と感覚でステージを成立させていたのです。
しかし、2010年代に入ると頼みの綱であった右耳の聴力までもが急激に悪化し始めました。特定の音域、とりわけ高音域が聞き取りにくくなることで、自分が発声している音程とバンドの演奏とのズレを正確に把握することが困難になりました。「自分の歌のピッチが合っているかどうか分からない状態でファンからお金をもらうわけにはいかない」――妥協を一切許さない孤高の美学を持つ彼にとって、両耳の難聴進行はステージを降りる決定的な理由となりました。