うましかての本当の意味とは?ハウル名セリフの由来と「馬鹿」の違い
「うましかて」という言葉は、古語の形容詞「うまし(美し・甘し・旨し)」と、名詞「かて(糧)」が合わさって生まれた連語です。現代風にかみ砕けば「美味しく素晴らしい食事」「命を支える良き恵み」といった意味合いを持ちます。
前半の「うまし」は、現代の「うまい(美味・上手)」の語源でもありますが、古典の世界では単に味覚が良いことだけでなく、「見事である」「満ち足りていて素晴らしい」「美しい」といった対象を全肯定して賛美する広い感情を表していました。古代日本の祝詞(のりと)や『古事記』『日本書紀』にも、国土の豊かさを称える言葉として「うまし国」という表現が頻繁に登場します。
後半の「かて(糧)」は、活動のエネルギーとなる食糧や日々の糧を指します。つまり「うましかて」とは、目の前に並ぶ料理や食材そのものが持つ命の尊さを称え、「素晴らしい恵みに感謝します」という敬虔な祈りを込めた言葉なのです。漢字では「美し糧」のほか、文脈によって「旨し糧」「甘し糧」と当てられるケースもありますが、宮崎駿監督の絵コンテ等では情緒ある「美し糧」のニュアンスが強く意識されています。