世界が震える伊藤潤二ホラーの深淵!怖さの理由と傑作の読む順番
海洋ホラーとバイオパニックが融合した怪作『ギョ』も、伊藤潤二のイマジネーションが極限まで発揮された一作です。
沖縄の海から突如現れた「四本足で地上を疾走する魚」。その背後には、死臭ガスを動力源として自律駆動する謎の「歩行機械」の存在がありました。歩行機械の感染力は魚類にとどまらず、やがて人間をも宿主として取り込み、日本全土を異様な死臭と阿鼻叫喚の地獄へと変貌させていきます。
物語の結末において、文明社会は完全に崩壊し、主人公の恋人を含めた無数の人々が無残な姿へと変わり果てます。救いのない状況下でありながら、生き残った主人公が死臭に耐性を持つ学生たちと共に歩き出すラストシーンは、異様な哀愁と生命のしぶとさを感じさせ、読者に強い余韻を残します。