ヤギが怖い真実はどこにある?奇妙な目と悪魔学、映画界の新展開
この暗黒の象徴性を現代のスクリーンで鮮烈に復活させ、世界中の観客を震撼させたのが気鋭の映画スタジオA24だ。ロバート・エガース監督の傑作『ウィッチ』は、17世紀のニューイングランドを舞台に、厳格なキリスト教家族が狂気と恐怖へ落ちていく様を描いたオカルトホラーの金字塔である。
映画の中で圧倒的な異彩を放ったのが、漆黒の雄ヤギ「ブラック・フィリップ」だ。劇中で主演のアニャ・テイラー=ジョイ演じる少女に対し、暗闇から静かに囁きかける不穏な姿は、観客に強烈な恐怖を植え付けた。映画産業において、単なる家畜を純粋な「悪の化身」へと昇華させたこの作品は、カルト的なヒットを記録し、現代における心理的恐怖のアイコンとしての地位を確定させたのである。