瀧本幹也の写真集が放つ静謐な光:自然と建築、レンズが捉えた美学の軌跡
近年の瀧本幹也の作品集は、より深遠な精神性と地球の原初的エネルギーへと向かっています。2023年に制作された写真集『CHAOS』は、ハワイの溶岩流やアイスランドの氷河など、自然の狂暴さと混沌(カオス)にカメラを向けた意欲作です。
「自然は人間の都合に与しない。ただそこにある圧倒的な運動と対峙するとき、レンズは人間の存在を超えた美を捉える」
最新プロジェクト『PRIÈRE』(2024年)を含め、近年の作品では、かつての精密な構図美に加え、目に見えないエネルギーや生命の「祈り」といった概念が画面を満たしています。印刷技術の極限に挑んだ暗部の階調表現や用紙の選定も相まって、写真集そのものが一個の彫刻作品のような存在感を放ちます。