岩田屋を率いた中牟田俊男の軌跡|福岡財界に遺した功績と経営改革の真相
中牟田俊男氏が残した最大の功績は、単なる百貨店の売上拡大にとどまらず、「天神」という街そのものを一大ショッピングゾーンへと変貌させた都市開発手腕にあります。
昭和40年代から50年代にかけて、天神地区には大手百貨店やファッションビルが次々と進出を開始。激しい「天神流通戦争」が勃発する中、中牟田氏は競合を迎え撃つべく、本館の増改築や新館のオープンなど先進的なフロア構成を次々に打ち出しました。さらに、天神地下街の整備や交通インフラの拡充など、行政や他企業と連携した街づくりにも深く関与。福岡商工会議所の要職などを歴任し、福岡財界のリーダーとして地域全体の活性化に多大な影響を与えたのです。
「商人は街とともに生きる」という確固たる信念のもと、文化イベントの誘致や地元スポーツ・芸術振興にも惜しみない投資を行い、地元住民から「岩田屋の社長」として親しまれ、厚い評判を獲得しました。