【深層検証】日航機墜落事故の原因とは何だったのか——41年目の夏に問い直す「圧力障壁の罠」と現代空の安全
不完全な補強を受けた圧力障壁は、フライトを重ねるごとに客室内を加圧・減圧する強大な圧力差に晒され続けた。金属は悲鳴を上げ、リベット孔周辺から目に見えない微小な亀裂(金属疲労)が少しずつ、しかし確実に成長していった。
そして1985年8月12日、限界に達した障壁が一気に破裂。客室内の高圧空気が一気に非加圧エリアであるテールコーン(機体尾部内部)へなだれ込んだ。凄まじい空気圧は垂直尾翼を内側から破壊して吹き飛ばし、同時に尾翼内部を通っていた4系統すべての油圧パイプを壊滅させた。
油圧を失った大型機は、車のブレーキとハンドルが同時に効かなくなった状態に等しい。クルーはエンジンの左右の出力を交互に調整し、必死に機体を立て直そうと闘い続けたが、山岳地帯の厳しい乱気流と失速の波に抗しきれず、御巣鷹の尾根へと激突した。