スパ・フランコルシャン徹底解剖!魔の坂改修とF1開催契約存続の真相
モータースポーツの歴史において、スパ・フランコルシャン サーキットほど自然の地形を巧みに利用した高速サーキットは他に存在しません。1920年代に公道をつなぎ合わせて誕生した当時の面影を残しながら、現行の全長7.004km、計20のコーナーで構成されるレイアウトは、近代的な安全基準と昔ながらの荒々しさが奇跡的な調和を保っています。
なかでも世界中のファンを熱狂させるのが、ターン2からターン4にかけてそびえ立つオールージュからラディオンへと続く超高速の上りセクションです。下り坂の底にある左コーナー(オールージュ)で強烈な縦Gを受けながら小川を越え、壁のように立ちはだかる17%の急勾配を駆け上がりながら右(ラディオン)、左へと一気にブラインドの頂上へ飛び出します。F1マシンはこの区間を時速300km以上の全開状態で駆け抜け、ドライバーには最大4〜5Gもの垂直・横荷重が同時に襲いかかります。
ラディオンの頂点をクリアした先には、コース最長を誇るケメルストレートが待ち構えます。ここではスリップストリームとDRSを駆使した超高速バトルが繰り広げられ、最高速度は時速340kmから350kmに達します。そこから一気にフルブレーキングして飛び込む右・左・右の中速複合「レ・コーム」、アルデンヌの森を駆け下りる「プーオン(ダブル左コーナー)」、そしてピット手前に立ちはだかる最大のオーバーテイクポイント「バスストップシケイン」に至るまで、ドライバーの技量と度胸が1秒たりとも休まる暇はありません。
また、F1ベルギーGPのみならず、世界屈指のGT3耐久レースであるスパ24時間レースやWEC(世界耐久選手権)の舞台としても知られ、昼夜を問わず全開走行を強いる過酷さが数々のドラマを生み出し続けています。