伊藤聡信の器が魅了する理由|入手困難な理由と異国情緒漂う作陶美学の真実
伊藤作品の魅力を支える技術的要素は多岐にわたります。中でも特に人気が高い3つの技法について解説します。
印判(いんばん)の味わい
スタンプのように柄を素地に写し取る印判技法。伊藤氏の印判は、わざと版をずらしたり、かすれを残したりすることで、独特のヴィンテージ感を演出します。花モチーフや幾何学模様が、古布のプリントのような温かな表情を見せます。
可憐さと力強さが同居する色絵(いろえ)
赤、緑、黄、青などの上絵の具を用いて描かれる植物や果実の文様。伊藤氏の色絵は、過度な華やかさを抑えた、落ち着いた発色が特徴です。派手すぎず、かといって地味にならない絶妙な色加減が、盛る料理を引き立てます。
表情豊かな素地:粉引と白磁
器の「地」となる部分へのこだわりも徹底しています。ほんのり黄色みがかった温かみのある白や、柔らかな貫入(かんにゅう:表面の釉薬に入る細かいヒビ模様)が入った粉引。使えば使うほどに味わいを増す素地の素朴さが、絵付けの美しさをより一層際立たせます。