ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』の戦慄の謎!ユダの正体と12使徒の真実
『最後の晩餐』が鑑賞者に与える圧倒的な没入感の正体は、ダ・ヴィンチが駆使した精密無比な一点透視図法(線遠近法)にあります。
修復作業の際、画面中央に座るキリストの右こめかみの位置に小さな穴が発見されました。ダ・ヴィンチはこの点に1本の釘を打ち込み、そこから放射状に糸を張ることで、天井の格子模様(格天井)、左右の壁に掛けられたタペストリーの縁、テーブルクロスのラインに至るすべての直線を狂いなく描いたのです。鑑賞者の視線は、部屋のどの位置に立っていても自然とキリストの顔へと誘導される構造になっています。
さらに計算され尽くしているのが、現実の食堂空間との連動です。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂には左側上部に実際の採光窓が存在します。ダ・ヴィンチは絵画内部の光の方向を、この現実の窓から差し込む外光の向きと完全に一致させました。これにより、修道僧たちが食事をとる空間の壁の向こうに、あたかも本物の部屋がもう一つ連続して広がっているかのような強烈な錯視(トロンプ・ルイユ)を生み出すことに成功したのです。