函館カトリック元町教会を巡る美と歴史!絶対外せない祭壇秘話
聖堂の扉を静かに押し開けた瞬間、息をのむような光景が広がる。堂内最奥の主祭壇、副祭壇、そして聖像群は、すべて遠くローマのバチカン教皇庁から直接贈られた唯一無二の至宝だ。大火の報に心を痛めた当時の教皇ベネディクト15世が、復興の証として特別に下賜したものである。木彫に美しい金箔と鮮やかな色彩が施されたこの祭壇は、国内のどの教会にも見られない圧倒的な格式を誇る。
拝観に際して絶対に見落としてはならないポイントを整理しておきたい。
第1に、中央主祭壇の繊細な彫刻意匠だ。キリストの受難と栄光を描いた細密な浮き彫りは、当時のイタリア職人の極致を示している。第2に、壁面に沿って配置された「十字架の道行」のレリーフ群。薄暗い聖堂内に浮かび上がる陰影は、見る者に深い内省を促す。そして第3に、空高く聳える八角形の鐘楼だ。フランス製の「アンジェラスの鐘」は、今も決まった時刻に澄んだ音色を街中に響かせ、開港都市の音風景を守り続けている。堂内は祈りの場であるため、撮影禁止の規律を守り、静寂の中で空間そのものが放つ響きを体感することが肝要だ。