津山まなびの鉄道館が魅了する理由!扇形車庫と名車の全貌に迫る
敷地の中核を成す「旧津山扇形機関車庫」は、昭和11年(1936年)に建設されました。鉄筋コンクリート造の扇形庫としては、京都の梅小路機関車庫(20線)に次ぐ国内第2位の17線構造を有しています。建設当時、津山機関区には多数の蒸気機関車が配置されており、陰陽連絡の山越えに挑むSLたちの補給・整備基地として昼夜を問わず稼働していました。
構造面で特筆すべきは、扇形に広がる放射状のアーチ梁と、煤煙を効率よく排出するために設計された天井煙突の機能美です。経済産業省の「近代化産業遺産」に認定され、土木学会選奨土木遺産、さらには日本遺産「日本最大の巨大磁場『津山』」の構成文化財にも位置付けられている通り、単なる車庫の枠組みを超えた日本土木技術史の一里塚と言えます。
中央に位置する転車台(ターンテーブル)は、車両を各格納線へと振り分けるための心臓部です。電化が進んで多くの扇形車庫が解体・再開発されていくなか、津山の施設は地域の強い熱意とJR西日本の協力によって奇跡的に解体を免れ、2016年4月に「まなびの鉄道館」として再生を遂げました。躯体に刻まれた煤や作業油の痕跡、手入れの行き届いたバラスト(砕石)の一つひとつに、かつてこの地で汗を流した鉄道員たちの息づかいが色濃く残されています。