梶原靖元と古唐津の真髄|土と窯に生きた陶芸家の軌跡と極意
1995年、梶原は佐賀県唐津市和多田に工房を構え、独立を果たした。自らの表現を追求するための場所を手に入れた彼は、1997年と2001年に相次いで穴窯(あながま)を築窯する。
穴窯の焼成は過酷だ。薪の種類、くべるタイミング、窯内の空気の流れによって作品の表情は一変する。既成の粘土や市販の化学釉薬に依存する作陶に、梶原は強い疑問を抱いていた。市販の粘土では、桃山時代の古唐津が持つあの肌触り、滲み出るような質感が出ない。本物の古唐津を再現するには、窯の温度制御だけでなく、原料そのものを古の職人と同じ条件まで引き戻す必要があると確信したのだ。