『イングロリアス・バスターズ』結末の真相と史実改変の意図を徹底解剖
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本作の成功を決定づけたのは、キャスティングの圧倒的な妙技です。なかでもハンス・ランダ役を務めたオーストリア出身のクリストフ・ヴァルツは、第82回アカデミー賞助演男優賞をはじめとする名だたる映画賞を総なめにしました。
ランダは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語を完璧に操り、終始紳士的で陽気な態度を崩さないまま、対話相手の心理的急所をじわじわと締め上げていくサイコパス的な知性を発揮します。パイプを取り出して吸う仕草や、アップルパイ(シュトルーデル)に生クリームを添えて食べさせるシーンなど、視覚と味覚を利用した心理的拷問の演出は映画史に残る緊迫感を生み出しました。
一方、バスターズを率いるアルド・レインを演じたブラッド・ピットは、首に縛り首の痕を持つアパラチア出身のタフガイをユーモラスかつ暴力的に好演。訛りの強い南部英語と拙いイタリア語のやりとりは、本作における最高級のブラックコメディとして機能しています。
さらに、悲壮な決意を秘めたショシャナ役のメラニー・ロラン、二重スパイのドイツ人女優ブリジット役のダイアン・クルーガー、英国将校ヒコックス役のマイケル・ファスベンダーなど、多国籍な実力派キャストが隙のないアンサンブルを構築しています。