胃ろうか人工呼吸器か?延命治療と尊厳死の境界線で迫られる決断

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医療技術の長足の進歩は、死の瞬間を人工的にコントロールできる領域を広げた。その結果として浮上したのが、医療倫理・バイオエシックスの根幹に関わる「治療の差し控え(Withholding)」と「治療の中止(Withdrawing)」をめぐる問題だ。

現在、医療現場の大きな拠り所となっているのが、厚生労働省が策定した「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」である。この指針では、単に医師が医学的妥当性だけで判断するのではなく、患者本人を中心とした多職種チームによる合意形成を強く求めている。

さらに、一刻を争う救急搬送現場において一般社団法人日本救急医学会などの専門機関は、心肺停止状態で搬送された患者の事前の意思表示をいかに尊重し、無益な心肺蘇生や気管挿管を避けるかについての提言を深化させている。かつてタブー視されていた「開始した治療の中止」についても、本人の尊厳を守るための正当な医療行為として捉え直す議論が着実に進んでいる。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。