火災を越えた童学寺の現在|復興の全貌と切り絵御朱印の魅力を徹底取材
童学寺を語る上で避けて通れないのが、2017年(平成29年)3月25日に発生した火災事故です。未明に出火した火勢は瞬く間に広がり、木造平屋建ての本堂および隣接する庫裏など約500平方メートルが全焼。地域社会のみならず、四国霊場を巡る全国の巡礼者に深い衝撃を与えました。
しかし、絶望的な業火のなかで奇跡が起きます。平安時代後期の作とされ、国の重要文化財に指定されている本尊「木造薬師如来坐像」および日光・月光菩薩像は、駆けつけた寺院関係者や地元消防団の決死の搬出作業によって無傷で救出出されました。本尊が無事であった事実は、失意の底にあった関係者に再建への強い希望を灯す原動力となったと、当時の記録にも刻まれています。
その後、寺院関係者と地元・石井町の有志を中心とした「童学寺復興委員会」が立ち上がり、国内外からの寄付金募集やクラウドファンディングを展開。目標金額を上回る温かい支援が寄せられ、仮本堂の設営を経て本格的な本堂再建事業が着実に推し進められました。2026年現在、新たな息吹が注ぎ込まれた本堂は風格ある佇まいを見せ、防火設備の最新鋭化やバリアフリーに配慮した境内整備が施されるなど、災害の記憶を教訓に変えた防災拠点寺院としても機能しています。