関東ローム層とは?赤土の正体・地盤の強さと地震リスクを徹底解明

関東ローム層とは?赤土の正体・地盤の強さと地震リスクを徹底解明についての疑問解決ガイドをご紹介します。

農業の視点から見ると、関東ローム層は独特の長所と短所を併せ持っています。土壌の物理性としては、土の粒子間に適度な隙間があるため「水はけ(排水性)」と「保水性」という相反する性質が絶妙なバランスで共存しています。通気性も良好で、作物の根が呼吸しやすい環境が整っています。

しかし化学的な性質には難点があります。関東ローム層の主成分であるアロフェンなどの粘土鉱物は、植物の成長に欠かせないリン酸を強力に吸着して離さない性質(高いリン酸吸収係数)を持っています。さらに、風化の過程でカルシウムやマグネシウムなどの塩基類が雨水で洗い流されているため、土壌は強い酸性を示します。そのままでは作物が育ちにくい「やせ土」なのです。

農業でよく混同されるのが、関東ローム層の最表層にある「黒ボク土」との違いです。

下層の赤土(純粋な関東ローム層)が無機質な火山灰の風化物であるのに対し、表層の黒ボク土は、降り積もった火山灰に数千年分のススキなど草原植物の有機物(腐植)が混ざり合って黒く熟成した土です。現代の関東平野では、堆肥を投入して土壌酸度を矯正し、リン酸肥料を適切に補うことで、千葉の落花生、埼玉の深谷ねぎ、茨城・東京の根菜類(ゴボウ、ダイコン、ジャガイモ)など、水はけの良さを活かした全国屈指の農産地が形成されています。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。