世界一難しいひっかけ問題の罠!正解率1%に騙される脳の盲点を解剖
ネット上で「正解率1パーセントの難問」としてまことしやかに拡散され続けている問題の多くは、行動経済学の歴史的実験にそのルーツを持っています。なかでも世界中で最も有名な論理的思考力クイズの原型となったのが、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローン経営大学院に所属していたシェーン・フレデリック教授が2005年に発表した「認知反射テスト(CRT: Cognitive Reflection Test)」です。
フレデリック教授が設計したこのテストは、わずか3問で構成される「世界最短の知能テスト」として学術界に激震を走らせました。その象徴とも言えるのが、以下の「バットとボール問題」です。
【出題】バットとボールは合計で1ドル10セントします。バットはボールより1ドル高いです。では、ボールの値段は何セントでしょうか?
この問いを投げかけられたとき、脳内には即座に「10セント」という数字が浮かび上がります。しかし、これこそが罠です。もしボールが10セントだとすれば、バットはそれより1ドル高いため1ドル10セントになり、合計金額は「1ドル20セント」になってしまいます。世界一難しいひっかけ問題の答えにおける論理的な正解は、ボールの値段は「5セント」(バットは1ドル5セント、合計1ドル10セント)です。
教授が公表した調査データによると、ハーバード大学、プリンストン大学、MITといった名門校の学生を含む被験者3,428名を対象とした実験において、この3問すべてに正解できた割合は全体の約17%にとどまりました。名門MITの秀才たちですら、全問正解率は48%と半数を割り込んでいます。知識の有無ではなく、「最初に頭にひらめいた魅力的な誤答」を理性のブレーキで踏みとどまれるかどうかが試されるのです。