ドラマ『コーチ』の現在と真相|玉置浩二とサバカレーの伝説を総力取材
劇中で描かれた「サバカレー」は、単なるフィクションの小道具にとどまらず、現実の日本経済を動かす一大ヒット商品となりました。このアイデアの元ネタと商品化の経緯には、テレビ局と地元企業の緻密な連携がありました。
撮影のメイン舞台となったのは、千葉県銚子市に実在する老舗水産加工メーカー「信田缶詰(しだかんづめ)」です。ドラマの企画段階において、銚子の主力水産物であるサバを活用した斬新な商品として脚本内にサバカレーが登場。放送開始直後からフジテレビや地元自治体に「あの缶詰は本当に売っていないのか」「どこで買えるのか」という問い合わせが殺到したことを受け、フジテレビと信田缶詰が急ピッチで共同開発を進めました。
1996年秋、ドラマの放送終了に合わせて正式に発売されると、全国のスーパーや物産展で瞬く間に売り切れが続出。定価以上のプレミアム価格で転売される事態まで起き、年間100万缶以上を販売する空前の大ヒットを記録しました。魚の生臭さを抑えるために独自のスパイス調合と野菜のコクを追求した本格的な味わいは、ブームが一段落した後も銚子を代表する名物土産として定着し、現在も改良を重ねて愛され続けています。
ロケ地となった銚子市内各所も、ファンの聖地巡礼地として賑わいました。美夏が降り立った情緒ある「銚子電鉄」の駅舎や、広大な太平洋を望む「犬吠埼」、工場周辺の潮風薫る港町の風景は、登場人物たちの泥臭くも温かい生き様を美しく彩っていました。