孤高の洋画家・鹿子木孟郎!『妻の肖像』が暴く近代美術の真実

孤高の洋画家・鹿子木孟郎!『妻の肖像』が暴く近代美術の真実にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

帰国後の日本で彼を待ち受けていたのは、黒田清輝を中心とする白馬会の圧倒的な潮流だった。明るい陽光と柔らかな筆致で文部省美術展覧会(文展)の主流派となった外光派に対し、鹿子木は強い反発を覚える。彼は中村不折らとともに太平洋画会を舞台とし、重厚な明暗対比と厳密なデッサン力を武器に対峙した。

「日本の洋画は軽薄な色彩に流れてはならない」。鹿子木の信念は時に頑固と評されたが、その妥協なき姿勢こそが、当時の美術界に健全な緊張感をもたらした。二つの潮流の激突があったからこそ、日本の洋画表現は深みと多様性を獲得していったのである。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。