薬の消費期限切れは危険?処方薬・市販薬の安全性と正しい見極め方

薬の消費期限切れは危険?処方薬・市販薬の安全性と正しい見極め方について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

大手ネット掲示板や知恵袋、SNSを検索すると、「病院の薬は何年前まで飲める?」「3年前にもらったロキソニンを飲んだが問題なかった」「抗生物質を残しておいて、喉が痛いときに飲んでいる」といった書き込みが数多く散見されます。中には「5年前の解熱剤でも普通に効いた」という武勇伝めいた投稿に対し、多くの共感が寄せられている場面すらあります。

しかし、調剤薬局や総合病院の現場取材を行うと、薬剤師や医師たちからは強い危機感と憤りの声が上がります。都内調剤薬局に勤務するベテラン指導薬剤師は、臨床現場のリアルを次のように明かします。

「『以前同じ症状で出された薬だから』と、数年前の処方薬を飲んでアレルギー性薬疹や胃潰瘍を発症し、救急外来に駆け込んでくる患者さんが年に何人もいらっしゃいます。処方薬の使用期限の目安は、基本的に『医師から指示された処方日数分』です。5日分出された薬は5日間で飲み切る、あるいは治癒した時点で服用を終えることが前提であり、何年も保存しておくこと自体が医療設計から完全に逸脱しています」

ネット上の「平気だった」という体験談は、単なる結果論、あるいは「たまたま目に見える重篤な急性症状が出なかっただけ」に過ぎません。体質や内臓機能、併用している他の薬との相互作用によって、同じ行為が命取りになるケースは十分にあり得ます。

さらに見過ごせないのが「抗生物質の自己流使い回し」です。前回の治療で残った抗生物質を中途半端に2〜3回分だけ服用すると、体内の病原菌を完全に殺滅できず、生き残った菌が耐性を獲得する「薬剤耐性(AMR)菌」を生み出す温床となります。これは個人の健康問題にとどまらず、社会全体で抗生物質が効かなくなる深刻な医療崩壊リスクを誘発する行為です。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。