イノシシ肉の下処理で臭みが消える!プロ直伝の血抜きと柔らかな秘訣
Q1:下処理で出たイノシシ肉の白い脂身は、臭みの原因になるので切り落とした方がよいですか?
A1:いいえ、切り落とす必要はありません。牛肉や豚肉と異なり、イノシシ肉最大の魅力は「白身(しろみ)」と呼ばれる脂身の甘みとコラーゲンにあります。ただし、空気に触れて黄色く変色(酸化)している表面の脂や、筋膜に血が滲んでいる部分だけは臭みの原因となるため、包丁で薄くトリミング(削ぎ落とし)してください。新鮮な白い脂身は、血抜きと日本酒での下処理を行えば、煮込むほどにサクサクとした食感と上品な旨味を放ちます。
Q2:牡丹鍋のように長時間煮込む場合でも、事前の血抜きや下茹では必要ですか?
A2:薄切りのスライス肉(しゃぶしゃぶ用・鍋用)として精肉店や認証施設から購入したものであれば、すでにプロの手で血抜きが完了しているため、長時間の水浸漬は不要です(旨味が抜けてしまいます)。スライス肉の場合は、調理の15分前に日本酒を軽く振りかけてからキッチンペーパーで表面のドリップを拭き取るだけで十分です。一方、塊(ブロック)のまま入手した肉を厚切りにして鍋に入れる場合は、必ず0.9%塩水での血抜きを行い、一度水から弱火でじっくり加熱してアクをすくい取る「下茹で(ブランシール)」を行ってから鍋に加えることで、汁が濁らず絶品の牡丹鍋になります。
Q3:重曹や塩麹に漬けた後、さらに煮込むと硬くなってしまうのはなぜですか?
A3:急激な強火での加熱が原因です。重曹や塩麹で筋繊維を緩めても、100℃のグラグラと沸騰するお湯にいきなり投入すると、筋タンパク質が急激に熱収縮を起こして水分を絞り出してしまいます。イノシシ肉を煮込む際は、表面を軽く焼いて香ばしさを出したら、最初は75℃〜85℃(鍋肌がフツフツと小さく泡立つ程度の極弱火)で40分〜60分じっくりと火を通し、コラーゲンがゼラチン質へと変化するのを待つのが、箸で切れるほどトロトロに仕上げる秘訣です。