天才プログラマー金子勇の葛藤Winny裁判が変えた日本の未来
この理不尽な状況に立ち上がったのが、サイバー犯罪やIT法務に明るい弁護士の壇俊光氏率いる弁護団だった。壇氏は自らプログラミングの構造を徹底的に学び直し、裁判官に対してWinnyの仕組みと「技術の汎用性(デュアルユース)」を解き明かすロジックを構築していった。
控訴審の大阪高裁では見事な逆転無罪判決を獲得。そして2011年12月、最高裁判所が検察側の上告を棄却したことで、7年半に及ぶ泥沼の法廷闘争はついに金子氏の完全無罪確定という形で幕を閉じた。最高裁は「悪用のみを目的として提供された場合でない限り、開発者に幇助犯の責任は成立しない」という重要な判例を打ち立てたのだった。