プロが明かすハッピーバースデー英語表現と知られざる名曲の裏側
誰もが幼少期から歌い慣れている『Happy Birthday to You』。実はこの楽曲、単なる伝統歌ではなく、かつて巨額の金を生み出す商用コンテンツだった歴史を持つ。ギネス世界記録において「英語で最も認識されている曲」として認定されているこのメロディは、もともと19世紀末にヒル姉妹が作曲した『Good Morning to All』が原曲とされる。
20世紀に入ると歌詞が置き換わり、世界中で歌われるようになったが、その権利関係は極めて複雑だった。音楽出版大手ワーナー・チャペル・ミュージックは、1988年にこの楽曲の権利を取得し、映画やテレビ、商業イベントでの使用に対して毎年数百万ドルものライセンス料を徴収し続けていたのだ。映画の作中で登場人物がこの歌を歌わないケースが長年多発していたのも、高額な使用料を避けるための大人の事情であった。
しかし、2015年に転機が訪れる。長年にわたる集団訴訟の末、連邦裁判所は同社の著作権主張を無効とする判決を下した。和解を経て、楽曲は晴れてパブリックドメインとなり、誰もが自由に使って歌える共有財産となったのである。