生活の「乱れ」を愛する逆説の美学:雑誌『Apartamento』が変えた居住空間の真価

生活の「乱れ」を愛する逆説の美学:雑誌『Apartamento』が変えた居住空間の真価の全貌を詳しく解説してご紹介します。

2000年代半ばまでのインテリア出版界を支配していたのは、無菌室のようなミニマリズムと、高級ショールームの広告写真だった。誇りひとつ落ちていない大理石の床、配置が計算し尽くされたデザイナーズ家具。そこには人間の温もりや、日々を生きるリアリティが徹底的に排除されていた。

家は、展示場ではない。

『Apartamento』の登場は、そうした商業主義的な視覚文化に対する明確な叛逆であった。創刊者たちは、居住者が実際に生活し、時間を重ね、時に散らかしたままの空間こそが美しく、魅力的な物語を語りかけると考えた。誌面に登場するのは、超高級邸宅ではなく、アーティストや作家、建築家、あるいは名もないコレクターたちが住まう、個性的で少し混沌とした部屋である。

Apartamento magazine issue cover displaying authentic interior space
山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。