キリムとは?普通の絨毯との決定的違いや文様の意味を徹底解明

キリムとは?普通の絨毯との決定的違いや文様の意味を徹底解明の背景について、専門知識を基に徹底解説します。

近年、インテリアの枠を越えてコレクターズアイテムや美術投資の対象として注目を集めているのが、オールドキリムの価値と市場の評価です。

一般的に、作られてから40年から100年未満のものは「ヴィンテージキリム(またはオールドキリム)」、100年以上の年月を経たものは「アンティークキリム」と分類されます。現行の新品キリムと過去のオールド作品との間には、現代の工業社会では二度と再現できない決定的な素材の断絶が存在します。

1960年代以前に遊牧民の手によって織られたキリムの多くは、地元の山野に自生する植物や鉱物から抽出された草木染め手織り絨毯です。茜(マダー)の根から採る深い赤、藍(インディゴ)の青、玉ねぎの皮やザクロから抽出する黄色、クルミの殻による茶褐色の染料が用いられていました。これらは化学染料と異なり、日光や日常の使用、空気中の酸素に晒されることで角が取れ、数十年をかけてまろやかで奥深いグラデーション(アブラッシュと呼ばれる自然な色ムラ)へと熟成していきます。

さらに、当時の羊毛(ウール)は機械で梳かれた工場生産品ではなく、手紡ぎで油分(ラノリン)を豊富に残した状態でした。そのため、半世紀以上の時を経てもウール自体にツヤと弾力が残り、使い込むほどにしなやかに育ちます。

しかし、現在では遊牧生活そのものが定住化によって激減し、本物の伝統技法を受け継ぐ織り手は著しく減少しています。欧米の有名オークションや東京・青山のヴィンテージギャラリーでは、状態の良い1940〜50年代のアナトリア産オールドキリムが1枚数十万円から百万円規模で取引されるケースも珍しくありません。「有限な文化遺産」としての性格を帯びていることが、世界的な価格上昇の直接的な原動力となっています。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。