市街地に迫る猛威!クマ出没の警戒エリアと生死を分ける防衛術
万が一、街中や里山でクマと鉢合わせしたとき、人は本能的な恐怖から致命的な過ちを犯しがちだ。わずか数秒の判断が生死を決定づける現場において、絶対にやってはならないNG行動がある。
最大のタブーは、背中を見せて全速力で逃げ出すことだ。クマは逃げるものを反射的に追跡する捕食本能を持つ。時速50キロ以上で疾走するヒグマやツキノワグマから、人間が走って逃げ切ることは物理的に不可能だ。また、大声で叫び散らす、石や木の枝を闇雲に投げつけるといった威嚇行為も、パニックを起こした個体を逆上させ、突進を誘発する引き金になりかねない。
生き残るための最新防衛マニュアルは明確だ。まずは視線をクマから外さず、静かに正面を見据えたまま、すり足でゆっくりと後退する。距離が5メートル以内に詰まり、突進の気配を見せた場合は、即座にクマ撃退スプレー(カプサイシン製剤)の安全ピンを抜き、相手の鼻先と顔面を狙って全量を噴射する。風向きへの配慮は不可欠だが、有効射程内であれば極めて高い確率で攻撃を阻止できる。
スプレーがない、あるいは至近距離で奇襲を受けた場合の最終防衛姿勢は「うつ伏せ防御」だ。地面に腹這いになり、両手で首の後ろを固くガードし、足を閉じて内臓を守る。リュックサックを背負っていれば背後の盾になる。致命傷となる頭部・頸動脈・腹部の損傷を最小限に抑え、相手が立ち去るのを耐えるのが鉄則である。